前回のトピックでも取り上げましたが大切な睡眠。その大きな効果をまとめてみました。
先ずは写真のグラフを見てください。
これは睡眠中のレム睡眠とノンレム睡眠の現れ方の推移をグラフにしたものです。
人の眠りには、「レム睡眠」と呼ばれる身体を休める眠りと、「ノンレム睡眠」と呼ばれる脳を休める眠りがあります。
睡眠の1番の効果は心身ともに疲労を回復させることです。
睡眠のリズムの中で、深い睡眠(ノンレム睡眠)が得られるほど、体内の修復・回復を促す成長ホルモンが多く分泌され
体内での代謝活動が促進されます。
脳も休まり、自律神経の働きが整うため、ストレスからの回復・耐性も向上します。
成長ホルモンは老化とともに分泌量は減ってきますが、ノンレム睡眠が深いほど増えます。
グラフのように眠りについて3時間くらいが1番深い睡眠になります。
この時間に眠りの浅い人は疲労感が残ってしまいます。
2番目は前回のトピックでも話しました認知症の引き金になるアミロイドβを洗い流す事です。
認知症の発症を遅らせる事が出来ます。
3番目として、記憶の定着です。
睡眠には覚醒時の体験を整理し、記憶として脳に定着させる働きがあります。
深い眠り(ノンレム睡眠)で体験から得た感情や事柄を整理し、浅い眠り(レム睡眠)で記憶として定着させるリズムを作ってます。
テストの前の日に徹夜して長時間勉強するよりも、早く寝た方が成績は上がります。
4番目として、肥満防止です。
これはあまり知られていないと思います。
十分な睡眠が取れれば「レプチン」という食欲抑制ホルモンが出てきます。
睡眠不足になると、「グレリン」という食欲増進ホルモンが活発になるので肥満に繋がります。
5番目として肌質の改善です。
睡眠中に分泌される成長ホルモンは肌の新陳代謝を向上させ、美しい肌質を作るのに不可欠です。
入眠後20分~30分後に最も深い睡眠が訪れます。この時間帯に成長ホルモンが分泌され、肌の修復や新陳代謝が行われます。
6番目としてストレス解消です。
充分な睡眠をとることで脳内の疲労を解消し、内分泌系のリズムを整えることで、ストレスの解消につながります。
ストレスによって発生するコルチゾールは過剰になると脳の海馬を委縮させ
過剰な不安感に襲われるなど抑うつ状態につながるリスクを持っています。
以上、眠りは大切な役割を沢山持っています。
良い睡眠を取ってリフレッシュしましょう。
良い睡眠を確保する為にやっておきたい事。(参考に)
1. 寝起きとともに太陽の光を15秒以上浴びましょう。
太陽の光が網膜に入ることで、深部体温やセロトニン分泌のリズムを司る「体内時計」の乱れが調整されます。
さらにメラトニンというホルモンが夜に大量に出て寝付きが良くなります。
2. 夕方5時を目安に散歩やジョギングなどの運動を行いましょう。
体温が1番高くなるこの時間に運動をするとさらに体温が上がり、その後に体温が下がっていきます。
眠気は体温が下がるタイミングで起こるので、自然な入眠を促せます。
ちなみに私の体温は夕方で36.5度、就寝前で36.2度でした。
3. 入浴
ゆっくり湯船につかると、副交感神経が刺激されて一日の疲れがほぐれ、リラックスした状態になります。
また、入浴後に温まった体温から徐々に下がるため、入眠がスムーズになって睡眠の質が高まります。
38〜40度程度のぬるま湯に20〜30分ほど入りましょう。
4. アルコールの摂取は適量を就寝3時間前まで
お酒を飲むとリラックスできるため、眠気を感じることがあります。
しかし、体内でアルコールが分解されて発生するアセトアルデヒドという物質には、睡眠を妨げて眠りを浅くする性質があります。
お酒を飲む場合は、適量の範囲を守って就寝3時間前までに済ませましょう。
5. 就寝1時間前にはテレビやスマートフォンを消す
テレビ、パソコン、スマートフォン、携帯電話などの電子機器の画面からは
入眠を促すホルモン・メラトニンを減らす「ブルーライト」が出ています。
また、操作によって脳の覚醒度合いも上がってしまうため、眠る1時間前
少なくとも30分前にはこれらの電源を切り、画面を見ないようにしましょう。
6. 就寝前は出来るだけ暗くして寝ましょう。
0.3ルクスから家庭照明に相当する300ルクスまで寝室の照度を何段階かに分けた条件下で
同じ被験者に繰り返し寝てもらい睡眠の質がどうなるか比較した結果、0.3ルクス(ほぼ暗闇)に比較して
室内照度が明るくなるほど睡眠が浅くなり、50ルクス(薄暗い部屋)程度でも睡眠の質が有意に低下することが明らかになったそうです。