NHKでタモリと山中教授の司会で「人体」という番組が放送されていました。
番組の大テーマは
「人体は“巨大な情報ネットワーク”である」という全く新しい人体観です。
臓器や細胞からのメッセージを伝える物質が血液や神経を伝って全身を行き交い
それを受け取った他の臓器や細胞が、さまざまな作用を引き起こしていくという新しい視点です。
その中でも臓器単体で巨大なネットワークを構築しているのが「脳」です。
脳は体重のうち2%分ほどの重さしかない一方、全身が必要とする全エネルギーのうちの20%も消費してしまうのです。
日本が誇るスーパーコンピュータの「京」の消費電力は、全能力をフル稼働させた場合
一般家庭の3万世帯分もあるそうです。人間のコンピュータである脳のエネルギー消費量も多いのが理解出来ますね。
最近まで何もしていない時の脳は“働いていない”と思われていました。
ところが、何もしていない時こそ脳は活発に活動していることがわかってきたのです。
なにもしていない時…といっても睡眠中ではありません。
覚醒しているのに、何か意識的な活動をしていない時のことを指します。
例えば、1日の体の消費エネルギーが2000kcalとしましょう。
その中で脳活動で消費するのは約400kcalくらいです。
そのうち、おしゃべりしたり、本を読んだり、料理をしたり、スポーツをしたり…
といった脳活動で消費されるのはたったの5%。
更に20%が脳の機能のメンテナンスに費やされ
およそ75%は、意識していないボーっとしている時間に費やされているというのです。
人の脳は、放っておくと過去や未来のことを考えようとしてしまいます。
過去のことをくよくよと考えたり、まだ起きてもいない未来のことを不安に思ったり・・・
ネガティブな思考を慢性化している人は非常に危険です。
また、脳は何もしていなくてもどんどん疲れていってしまうというメカニズムを持っています。
その結果、クタクタになった脳は常にイライラするようになり
集中力は衰え、注意散漫、記憶力減退、感情コントロール不能に陥ります。
このような状態が度々起これば、免疫力は減退。
やがて、身体にも不調が出現するようになっていきます。
疲れが抜けない、集中力が続かない・・・。
という方の多くは身体よりも脳が疲弊している可能性がありそうです。
そんな現代人のストレスや悩みを改善すると注目されているのが「マイルドフルネス」
アメリカではグーグルをはじめフェイスブックやインテル、マッキンゼーといった企業のほか
政府機関の研修でもマインドフルネスは取り入れられています。
マインドフルネスとは、一言で表すと
「今この瞬間の自分自身の身体や気持ちの状態に気づける、心のあり方」のこと。
語源は、仏教における「念(サティ)」を表す言葉であるmindfulnessの英訳語で
「心にとどめておくこと」「気が付くこと」「注意すること」などと訳されます。
主に瞑想などを通じて自身の意識をただ今だけに集中してリラックスしていきます。
瞑想というのは古くから禅やヨガなどで行われていたものですが、マインドフルネス瞑想は
そこから怪しげな精神性や宗教的な要素を取り除いたもので、誰でも気軽にできるのところにも大きな特徴があります。
若い世代で座禅を代表する日本サッカーのキャプテンの長谷部誠は
『心は鍛えるものではなく、整えるものだ。いかなる時も安定した心を備えることが
常に力と結果を出せる秘訣だ。自分自身に打ち勝てない人間が、ピッチで勝てるわけがない。』
と著書の「心を整える」で言ってます。
茂木健一郎さんの著書「脳を鍛える茂木式マインドフルネス」では「脳の中を断捨離する」と書いてます。
いろんな経験をし、考え、悩み、欲望を持ち、落ち込んで……。
脳は雑多なものを色々取り入れてたくさんの回路を作っています。整理して絞り込んでいくほうが、より創造的になれるそうです。
基本のマインドフルネス瞑想は3つのステップで行います。
ステップ1 「調身」姿勢を整える
ステップ2 「調息」呼吸を整える
ステップ3 「調心」心を整える
<やり方>
1. 座って、背筋を伸ばし、姿勢を整えます。
2. 呼吸を整えながら、深呼吸を1~2度行いましょう。
3. 目を閉じ、ゆっくりと鼻呼吸を始めてみましょう。
4. 呼吸に意識を向け、お腹がふくらんだり、へこんでいく動きを観察してみましょう。
5. 雑念が湧いた時は、素直にそれを感じて受け入れ、再び今この瞬間に意識を向け、瞑想を続けてください。
6. 5分~20分程度行ったら、ゆっくりと目を開き、少しずつ意識を戻していきましょう。
<効果>
1. ストレス低減
2. 集中力の向上
3. 免疫機能の向上
4. ダイエット効果
5. 思いやりや共感性の向上
注意力散漫な状態から一点集中型のリラックス状態に移行する事により
自律神経が整い、副交感神経が優位となり、自然と体のストレスが軽減されます。
また、マインドフルネスは心理的な問題にも効果があるとされており
ストレスやうつ病の心理療法としても徐々に取り入れられています。
どうですかマインドフルネス?
体の不調がある方は、こころに秘めたストレスが病気を引き起こしている可能性があります。
マインドフルネス(新・瞑想法)で心身ともに健康でいたいですね!