1980~90年代、定年後に男性が家庭で妻にまとわりつき、妻の外出時に
オレの昼飯はどうなる」「一緒に行く」と困らせることがありました。
濡れ落ち葉と皮肉られていましたね。
しかし最近は
人と付き合うのが面倒くさくなってくるとか、新しいことをやる気にならないといったことが起きています。
いわゆる「枯れる」と表現されるような心境になっている人が増えています。
人類の歴史で食べ物を集め、妻や子どもを外敵から守る「外向的能力」を与えるのが男性ホルモンです。
男性ホルモンには、テストステロン、アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)があり
総称してアンドロゲンと呼ばれています。
このうち最も分泌量が多いのがテストステロンです。
女性ホルモンと一緒で加齢と共に分泌量は減少していきます。
写真のグラフを見てください。
60歳以降は20代と比較するとかなり少ないのがわかります。
健康な男子の場合、1日におよそ7mg程度の分泌があると言われています。
最近の枯れる状態は、男性ホルモンの低下からくる症状です。
男性ホルモンと言えば、紀州のドンファンと呼ばれるような精力絶倫者のように思われていますが
それ意外にも大事な役割があります。
造血作用を持ち、血管やコレステロールにも関係し、内臓脂肪を減らす作用があります。
テストステロンの血中濃度が低い男性は、メタボリックシンドローム症候群(内臓脂肪症候群)
のリスクが3倍ほど高いとの報告もあります。
チャレンジ精神や競争心などの行動活性も与えます。
テストステロン値が高い人は、冒険心があって判断力に優れ、さらに公平性を重視し、仲間を大切にします。
前回のトピックで女性にも男性ホルモンが存在する事を書きました。
成人女性の血中テストステロン値は男性の5~10%です。
女性は50歳前後で閉経し、卵巣から女性ホルモンの1つであるエストロゲンが産生されなくなりますが
男性ホルモンは成人期とほぼ変わらず産生されます。
そのため、更年期以降の女性は女性ホルモンと男性ホルモンの逆転現象が起こり、男性ホルモンは女性の活力になるのです。
指を伸ばして、人さし指と薬指の長さを比べてみてください。
人さし指が薬指より短ければ短いほど、胎内で多量のアンドロゲンシャワーを浴びて、男性ホルモンが多くなっているはずです。
テストステロンの分泌を増やすにはどうすればよいでしょうか。
まずは、良質の睡眠をとりましょう。
テストステロンと、体内環境を保つ役割を持つ「自律神経」には深い関係があります。
自律神経には緊張や興奮などをつかさどる「交感神経」と休息やリラックスなどをつかさどる「副交感神経」がありますが
このうち副交感神経が優位になるとテストステロンの分泌量が増えるそうです。「1/f ゆらぎ」のある森林を散策しましょう!
食事も大切です。
タマネギやニンニクなどに含まれる硫化アリル・システインという成分はテストステロンの産生を増進します。
牡蠣もテストステロン産生に必要な亜鉛を含んでいます。
肉類、卵、乳製品などのたんぱく質もしっかり摂取しましょう。
最後に重要なのは運動です。
脳や筋肉に働きかけ、テストステロンの産生を増強させる効果があります。
何事も基本は一緒で、「睡眠」「食事」「運動」が大事ですね!
余談ですが、恋愛が男性ホルモンをを分泌させる。
特に緊張感のある不倫は最高。
週刊誌なんかにはよく出て来ますが、医師の話では都市伝説だという話もあるので、このトピックではお勧めしません。