10年前の2倍です

7月20日は土用の丑の日でした。
同級生の皆さん、食べましたか?

日本ではかつて年間漁獲量が200トンを超える年もあったシラスウナギですが、1960年代以降より減少
1987年〜2011年は5〜27トンで推移しています。

鰻の卸値は昨年比で4割も高くなっています。

東京・日本橋の老舗「大江戸」のうな重「極上」は1人前9000円。
昨年の7200円から1800円値上げしたそうです。
一番人気の「うな重」も3600円から4000円に。10年前の2倍の値段だそうです。

いつか近大マグロのように完全養殖して、これからも手頃な価格で食べれるようになれば良いのにと思います。
いまから8年前の2010年4月に、「水産総合研究センター」が、ウナギの完全養殖の実験に成功したと発表したので
やった〜と思いました。

しかしその後のニュースで鰻の養殖が取り上げられることはありません。

どうしたのでしょうか?

 鰻の完全養殖とは

(1)受精卵を人工的にふ化
(2)仔魚(しぎょ)から稚魚のシラスウナギを経て、成魚のウナギに育成
(3)オスとメスから精子と卵を採取して人工授精
(4)ふたたび受精卵を人工的にふ化

というサイクルを人工飼育で完結させる事です。

現在のウナギ養殖は、天然のシラスウナギを捕獲して養殖場で育てているので、完全養殖ではありません。
したがって、シラスウナギの漁獲量が減ってしまうと、市場に十分な量を供給できず、ウナギの価格も高くなってしまうのです。

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ウナギの仔魚(しぎょ:稚魚の前の段階)の飼育にはマダイ養殖などで培った従来技術があまり応用できず
生態にあわせた独自の養殖技術を新たに確立しなければならないのだそうです。

たとえば、鰻の仔魚を育てる場合は水槽を毎日交換しなければならないが
マダイやヒラメは3週間くらい水槽を変えなくても済みます。
ウナギの仔魚は水槽内に発生する細菌に凄く弱いためです。

エサも、水槽の底に置くなど独特の手法で与えなくてはなりません。

鰻については世界のどこにも前例はなくまったく未知の世界で実用化の時期は、現時点ではわからないのが現状のようです。

鰻の完全養殖の実用化に向けて、「水産総合研究センター」では

(1)受精卵
(2)エサ
(3)飼育方法

の3テーマの研究を通じて、シラスウナギを大量に育てる技術の確立に取り組んでいます。
(1)では、大人のウナギを成熟させて、良質な受精卵を産ませるためのホルモン剤を開発。
これにより、卵のふ化率が従来に比べて向上したそうです。

(2)のエサは現在、絶滅の恐れも指摘されるアブラツノザメの卵を使っていることから
鶏卵や魚粉を用いた代替エサの開発に着手しています。

(3)では、容量10リットルという小規模な水槽を使って水温やエサの与え方などといった
基本的な飼育技術の確立に取り組むほか、大量飼育の実現に向けて同1000リットルの大型水槽の開発も進めています。

まだまだクリアしていかないといけない課題はいっぱいあるようです。
研究開始から32年経って世界で初めてクロマグロの完全養殖を成功させた近畿大学のように、時間はかかるかもしれませんが
私たちが生きてる間に食べれる事を期待したいと思います。
ちなみに今年は5月の法事に、巣鴨で食べた鰻重が唯一の食事でした。

次の土用の丑の日は8月1日です。何と誕生日。

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また食べに行きたい!
しかし高いので、ナマズやベトナムの白身の魚の代用品でも食べてみようかな。