酵素を無駄遣いしてませんか! 

日本人は昔から、食材を生で食べる習慣が多い国民です。

海に囲まれているので、新鮮な魚を刺身にして食べてきました。
殺菌作用のある、わさび、醤油、お酢を上手く使って生でも食あたりしないように工夫をしてきたのです。
お肉も、牛肉のユッケにレバー刺し、鳥わさなどをニンニクやショウガ醤油を使って生で食べますね。

生で食べるのは、たんに美味しいだけではありません。

隠れた大きなメリットがあったのです。日本人が長寿なのはこの食生活のおかげかもしれません。

それは題名の「酵素」です。

栄養学ではタンパク質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、水を7大栄養素と呼んでいますが
8番目にファィトケミカル(ポリフェノールやカロテノイド など植物に存在する化学物質 )
そして、9番目の栄養素が「酵素」と考えられています。

自然界の食物にはすべて消化酵素が含まれていますが、酵素は熱に弱く約42~70℃で破壊されます。
つまり、野菜、果物、肉類、魚介類を加熱して調理すると、その中に含まれる酵素は破壊されてしまうのです。

野生の動物は、生のもの、自然のものしか食べません。病気になるのは、人間とペットと家畜です。
野生の動物に生活習慣病は存在しないのです。

写真1


昔の人はそんな事を知らずに生活の知恵で食べていたと考えられます。

酵素はたんぱく質で出来ていて、他の栄養素と違うのは栄養素を分解して、運搬したり、触媒的な役割を持つことです。
酵素を家の建築に例えると、栄養素は「資材」。酵素は「大工さん」。
資材があっても、大工さんがいなければ家は作れません。

そして、炭水化物を分解する酵素はアミラーゼが担当というように、働く役割が決まっていて
体内には13000種以上の酵素が存在するとも言われています。

人間の体内にある酵素は「体内酵素」、人間の身体以外の生物に存在する酵素を「体外酵素」と言います。

体内酵素はどこで作られているのでしょうか?

実は体の中の100兆の細胞の中で、睡眠中にそれぞれ作られています。
細胞の中の核にあるDNAがどの酵素を作るかと言う青写真を作り、遺伝子が酵素を作ります。
睡眠がしっかりとれないと、酵素も十分作られません。

体内酵素の働きは大きく二つに分けられます。

◎ 消化酵素

消化酵素は食物に含まれる三大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂肪)を
ビタミンやミネラルなどの補酵素の協力のもと腸壁から吸収できるように小さな分子まで切り分ける作業をします。
唾液、膵液などの消化液に含まれるほか、腸内微生物も消化酵素を作り出します。

◎ 代謝酵素

栄養素をもとに身体の各細胞を作り上げたり、呼吸や運動に欠かせない化学反応に関わっています。
また、老化を防ぎ、毒素を解毒し、免疫力や自然治癒力にも働くなど、生命に関わる重要な役割を持っています。

アメリカのハウエル博士によると、一生の間に作られる酵素の量には限りがあり、この量が生命の長さを決定すると言われています。

酵素は加齢によって減少していきます。

写真1


生まれたばかりの赤ちゃんには、老人の数百倍の酵素が体内にあると言われています。
しかし年齢を重ねていくうちに、体内酵素は自然と減っていきます。
加齢と共に白髪になるのも、酵素の生産能力が落ち、ほかの大事な身体の代謝に酵素を回しているからだそうです。
つまり酵素は、使ってばかりではどんどん少なくなり、病気にもかかりやすく、寿命も短くなってしまうのです。
体内で作られる限られた酵素を節約する事が、健康で長寿につながると言っても良いのです。

その為には消化には体内酵素を使わないで済むように、食材はなるべく生で食べる量を増やしていきましょう。

発酵食品を取ることも、体内酵素の節約に繋がります。
発酵する過程で、酵母菌は様々な酵素を作り出します。
日本では、みそ、しょうゆ、ぬかづけ、納豆などの発酵食品に恵まれています。
できるだけ毎日摂るようにしましょう。ただ酵素は熱に弱いので、みそ汁を作るときには必ず火を止めてからみそを入れましょう。

朝は生野菜のサラダやスムージー。納豆や味噌汁や漬物といった発酵食品。
食後にリンゴやバナナなどをヨーグルトといっしょに食べるといった食習慣をつけると良いですね。
尚食材は、すりつぶした方が酵素の吸収率が高まります。

特に朝は生食の割合を100〜90%、昼60%〜50%、夜も30%以上とするように心がけると良いと言われています。

最後に
食べ過ぎ、加熱食過多、胃腸に負担のかかる食事(肉料理・揚げ物)、白砂糖摂取、添加物摂取
夜更かし、喫煙、過剰な飲酒、睡眠不足、ストレス、食べてすぐ寝る、朝食で過食すること(朝は酵素がまだ不活発)などは
酵素を無駄使いする生活習慣です。心当たりのある同級生は改善してみてください。