「健康格差」社会の到来

安倍政権は昨年の6月末、格差是正の為、働き方改革関連法を成立させました。
非正規労働者の待遇改善のため、「同一労働同一賃金」を掲げる一方で、長時間労働を助長する
「高度プロフェッショナル制度」も成立させました。

最近は富裕層と貧困層の格差がますます拡大し、二極化が急速に進んでいます。
「格差社会」が流行語になったのは、小泉政権下の2006年のことです。
実は最近、貧富とは別の格差が広がっているというのです。

「健康格差」です。

同級生のコミュでもトピックで再三、健康寿命の話をしてきました。
健康寿命とは、心身ともに自立し、健康的に生活できる期間の事で、ただ長く生きるだけの平均寿命とは性質が異なっています。
2000年にWHO(世界保健機関)が健康寿命を提唱して以来、寿命を延ばすだけでなく
いかに健康に生活できる期間を延ばすかに関心が高まってきているのです。

最近地域や集団によって健康長寿への取り組みや環境はかなり違ってきています。
この為、健康状態にも随分と地域差、集団間に差が生まれてきているのです。
長野県の減塩運動は有名ですね。

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健康寿命の男性トップは山梨県の73.21歳で最下位は秋田県の71.21歳。
女性はトップが愛知県の76.32歳で、最下位が広島県の73.62歳。
ここ約20年、東北北部の雪国はランキングが常に下位に低迷しています。
高齢化や人口減少が著しく、がんや脳血管疾患などの生活習慣病による死亡率が高い為です。
雪国で好まれる塩辛い料理、移動手段が車に依存して歩く機会が少なく運動不足も原因です。
運動不足による肥満や糖尿病などは、ほかの生活習慣病の発症リスクも高めます。

後期高齢者は2025年には現在の1646万人から、2179万人に増えると予測されています。
このままでは介護職の人材が不足するとともに、医療費の財源も確保出来ません。

健康で長生き出来る方法を考えてみたい思います。

① 部屋を暖かくする。

何それ?と思われた同級生も多いと思いますが、
温度の急激な変化による血圧の上下によって体のダメージを受ける、ヒートショックを防ぐ為なんです。
1年間で17000人がヒートショックで亡くなっていると言われています。
その大半が高齢者です。これは交通事故の3倍にもあたる数字です。
外よりも家の中が危険なのです。

北海道は東北よりも寒いですが、セルトラルヒーティングが各家庭に普及しているので、リスクは低くなっています。
特にお風呂場は危険です。浴室と着替え部屋との温度差を無くすために、ヒーターをつけるなどの対策をしなくてはなりません。

② バランスの良い食事と運動と仲間作り

これはトピックでも再三取り上げている健康法です。
実は山梨県は、最新の全国健康寿命ランキングで男女とも高いのですが
実際に地域ぐるみで健康のための取り組みを実行している県なんです。

甲府市は、干しアジに払う年間金額が静岡に次いで全国2位。
さらに、アサリの支出金額は全国1位。
他にもマグロの消費量は全国2位と、海がない県ですが、なぜか山梨県民は魚が大好き!
その証拠に山梨県は人口10万人あたりの寿司店の店舗数が全国1位だそうです。

どうやら食事で言えば、魚好きが健康長寿に繋がっているようです。

そして日照時間の長い山梨県は、様々な果物が生産されるフルーツ王国。
収穫量が日本一の桃やスモモをはじめ、ブドウは収穫量も消費量も日本一。

このフルーツに含まれるビタミンCは免疫を活性化させたり、体の中の余分な活性酸素を抑えたり重要な働きを担っています。
さらに世界的に有名になった甲州ワインのポリフエノール効果も考えられますね。

家族でする食事時間も長いようです。
山梨県は1日の平均食事時間が1時間46分と、これまた日本一。

話ながら笑いながら、みんなで食べるとゆっくり自然に食事がとれます。
時間をかけて食べることによって、よく噛むとそれが口の周りの血流を増やして脳の血流を増やして
最終的には認知症を予防することにも繋がります。
しかも、ゆっくり食べると血糖値の上がりを抑えることができます。

食事内容と食べ方にヒントがあるようです。

そして仲間作りに関しては
山梨に今も根付いている助け合い文化の「無尽」の存在です。

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無尽とは月一回、それぞれ参加者がお金を出し合って積み立て、順番に使えるシステム。
そもそもは、鎌倉時代に始まった庶民同士の融資制度が元になったと言われています。

昔の旅行を思い出したり、趣味の話でコミュニケーションをとることが脳を刺激するそうです。しかも自然と笑いが溢れます。
この笑うことにより、免疫力を高め、血流を良くして老化を防ぐことができるそうです。

そしてもう一つ、健康長寿には欠かせないポイントがあります。
普段会わない人と会って話をするのは凄く頭を使って会話しなきゃいけないので脳の老化を防ぐのに役立つのだそうです。
ブラタモリでも甲府盆地が取り上げられていましたね。
甲斐武田家19代の信玄は、21歳から甲府盆地の河川の大治水事業に着手し、20年かけて川の流れを改善。広大な土地を手に入れました。
しかし、たくさんの川を束ねたことで水の量は多くなり、氾濫する恐れがあったため、信玄は全長50kmの堤防を築きました。
「信玄堤」と呼ばれるこの一大事業は、現在も同地域の治水のベースとなっています。

さらに、信玄は堤防を踏み固めるという地味な土木作業を、男達が女装して美人になりお神輿を担ぐ「おみゆきさん」という華やかな祭りにしたのです。
お神輿を担ぐこの祭りでは、300人近い行列が堤防の上をゆっくり歩いたと言います。

昔から仲間作りが実践されていたのでしょうか。

どうですか、山梨県。

同級生のコミュも「トピック」と「イベント」の両輪で健康寿命の引き上げを目指しています。
普段合わない同級生の参加者が増える事が、さらなる引き上げに繋がるはずです。
男性は平均で後6~7年、女性は8~9年くらいでしょうか、元気でいられるのは。
11期にむけて、コミュにもイベントにも多くの同級生の参加者が増える事を期待しています。