先づは写真を2枚見てください。
最近の食料品にシンバイオティクスという表示があるのを知ってましたか?
シンバイオティクスとは、乳酸菌などのおなかにうれしい菌と、おなかにうれしい菌のエサとなる食物繊維などを一緒に摂るアプローチです。
かつて、人類にとって「食事」は、生存を左右する重要な要素でした。
そのため、消化器官と脳が情報をやりとりすることが、生き延びるうえで最低限必要だったと考えられています。
たとえば、現代では「摂りすぎに注意」と言われる砂糖や脂肪ですが
かつての人類にとってはなかなか食べられない貴重なエネルギー源でした。
そこで、砂糖や脂肪を食べたときに、ドーパミンを脳内で分泌させて、快感を感じさせるようになっているのだと言います。
腸には栄養を吸収するだけでなく、体中のおよそ7割の大量の免疫細胞が
栄養や水分を吸収する腸の壁のすぐ内側に密集して、外敵の侵入に備えています。
また人間の腸内にいる腸内細菌はおよそ1000種類、100兆個以上とも言われています。
それが、まるで様々な植物が種ごとに群生している※お花畑のようであることから
腸管における腸内細菌の様相を「腸内フローラ」(腸内細菌叢/ちょうないさいきんそう)と呼んでいます。
腸内に存在している細菌は、体の中にあるドーパミンの50%、セロトニンに至っては90%を生成していると言われています。
ドーパミンは快楽を与える物質で、セロトニンは安心感につながる物質と言われています。
おいしいものを食べると幸せな気持ちになるのは、こういった作用が関係しているのです。
最近腸が注目されています。腸内細菌のバランスが悪くなると体調も崩してしまいます。
昔は善玉菌20%と悪玉菌10%,日和見菌70%の割合が良いと昔は言われてきましたが
現在では良いも悪いも無くて、多くの種類の腸内細菌をバランス良く持っている事が薦められています。
その方法がシンバイオティクスのアプローチなのです。
乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトや納豆を食べているだけでは、腸内細菌を増やす事は出来ません。餌になる物が必要です。
特に以下の4つは乳酸菌やビフィズス菌などの餌となって、腸内環境を整えるのに大切になってきます。
意識して摂取するようにしてください。
:
・食物繊維
食物繊維は、昔は体に必要なものだと思われていませんでしたが
今では「第六の栄養素」として重要視され、水に溶けないタイプ(不溶性食物繊維)と
水に溶けるタイプ(水溶性食物繊維)があります。
・オリゴ糖
オリゴ糖はブドウ糖などの「単糖」が数個繋がったものの総称です。
一般的にはおおよそ3糖〜10糖のものをオリゴ糖と呼びます。
ヒトの消化酵素で消化できる糖と、できない糖が存在し一部の難消化性オリゴ糖は腸内細菌によって利用されます。
・糖アルコール
人工甘味料の部類に入る糖の1種です。
合成甘味料との違いは、元々自然界にある成分を人工的につくりだすということ。
体内に吸収されにくいことが有名です。
グリセリンやキシリトールが良く知られています。
・レディスタントスターチ
最近テレビでもよく取り上げられてきています。
私たちが摂取したデンプン量の2~10%は、消化・吸収されずに小腸を通り過ぎる
と考えられており、健康な人の小腸内で吸収されないデンプン及びデンプンの部分分解物は総称として
レジスタントスターチと呼ばれています。
消化されないということで「食物繊維」と同様の働きがあると言われています。
豆類、じゃがいもやさつまいも、自然薯などにレジスタントスターチは含まれています。
身近なものでは、冷めたおにぎりにも含まれています。
腸内環境を整えれば、免疫機能も向上して健康寿命も伸ばす事が出来ます。
是非腸が喜ぶ食事の工夫をしてみましょう。