今年の夏の暑さ対策にはAVAを活用! 

AVAって聞きなれない言葉だと思っている同級生も多いと思います。
スウェーデンのポップ・グループABBAとは違います。
通常、心臓から送り出された血流は、動脈の太い血管から末梢の毛細血管まで及び、静脈を通って心臓に戻ってきます。
しかし地方の田舎道のような細い毛細血管に枝分かれする前の動脈と、静脈とを
直接つなぐバイパスのようなやや太い血管をAVAというそうです。(写真)

AVA(Arteriovenous Anastomoses:動静脈吻合)の略です。
AVAは、皮膚では手足の末端、顔の一部だけに存在する特殊な血管なんです。
手の場合、甲側ではなく、手のひら側にあり、足では足裏と指、顔では耳、まぶた、鼻、唇と、皮膚の薄い末梢に多く
皮膚表面から約1mmと毛細血管より少し深いところに1平方センチ当たり100~600個存在しています。
全身にある毛細血管は細胞に酸素や栄養を運ぶのが役割ですが、AVAにはそうした役割はありません。
AVAは体温調節が仕事で、拡張して胴体部分から、熱を奪われやすい末端部分へ熱を運ぶことができるように、末端に多く存在しているのです。

拡張したときの直径は毛細血管の約10倍。
流体力学の法則から言うと流れる血流量は1万倍にもなるそうです。
一方で、完全に閉じると血流量はゼロになります。

緊急の時だけに開通する専用道路のような役割と考えてください。
AVAという道路が開通するのは、からだが熱くなって、「この熱を早く外に放出したい」というときや
反対に寒いとき「外に熱を出したくない」という時です。
毛細血管を通っていては時間がかかってしまうので、このバイパスが活躍します。

寒さが強くなると、AVAは収縮して末梢への血流を減らし、そこから熱が逃げるのを防ぎます。
脳や心臓など生命維持に必要な体の中心部の温度を保つことを優先するためです。

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冬山の遭難で凍傷になって指や耳や鼻が壊死してしまった登山家を知っていると思います。
脳や心臓など生命維持に必要な体の中心部の温度を保つ為の防御だったんですね。

梅雨が明けて急に暑くなってきました。
ちょっと外出したり、運動すると急に体温が上がって汗が止まりません。
そんな時にお勧めなのがAVAを上手く利用する方法です。
夏はAVAは拡張して手や足の末梢へ暖かい血液を送り熱を放出させようとします。
放出した後はまた静脈に戻りますが、タダで戻すのではなく冷たい血液を持って帰ってもらうんです。
AVAは手のひらや足裏と指に主に存在するので、その部分を極力冷やしてやるのです。
ただし氷を直接触るというような冷やし過ぎは良くありません。
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保冷剤など冷たすぎる刺激だとかえってAVAを閉じてしまう可能性があるとの指摘が!AVAを最も効果的に働かせるには、15℃ほどの温度が最適とのこと。

冷蔵庫から出してすぐや自動販売機で買ったばかりのペットボトルは温度がおよそ5℃と少し低め。なので、しばらく時間がたって適温になったものがおすすめ。

冷やされた血液は身体を駆け巡って体温を下げてくれます。
毛細血管の1万倍の血流量を持っているので、直ぐに効果を実感出来ると思います。
冷水のシャワーを手の平や足の裏にしばらくかけると体が冷えてくるのを感じると思います。
またビニール袋に少しの氷と水を入れて手のひらで握っても良いですね。
是非試してみてください。