先ずは写真のテニス女子を見てください。全身日焼け止め対策バッチリの状態です。
最近テニスコートでは当たり前のこの服装。昔はあまり見かけませんでした。
皆さん、テニスはしたいけど女子力もキープしたいという欲張りな女性が増えているようですね。
そんなに太陽光を避けてばかりで良いのでしょうか?
太陽光に含まれる紫外線を皮膚に浴びることで作られることで知られるビタミンD。
このビタミンDが不足すると、カルシウムの小腸での吸収や骨への吸着が妨げられ、骨がもろくなってしまいます。
ビタミンD不足は、さらに歩行速度やバランス、そして筋力の低下を招き、転倒の危険を増すことも分かってきているのです。
イギリスのロンドンでは、かつて深刻なビタミンD不足に悩まされていました。
特にその犠牲となったのが子どもたちでした。
ロンドン博物館の地下倉庫に、当時の悲惨な状況を物語る資料があります。
ロンドン中の遺跡から発屈された17,000体にも及ぶ遺骨です。
ここに保管されているのは、産業革命期の遺跡から発掘された骨です。
中にはクル病を患っていた、こどもの骨がたくさんあります。
真っ直ぐなはずの太ももの骨が、びっくりするほど曲がっています。
クル病は、ビタミンDが不足し全身の骨が柔らかくなる子どもの病気です。
自分の体重を支えきれずに、足の骨が変形してしまいます。
18世紀半ばに始まった産業革命。急速に工業化したロンドンの空は、スモックで覆われていました。
日光がさえぎられ、人々はビタミンD不足に陥ったのです。
十分な日光にあたれず、クル病になっていた子どもの骨は1割にものぼっていました。
当時は、ビタミン自体が発見されておらず、何が起こっているのか知るすべすらなかったでしょう。
およそ20万年前にアフリカのサバンナで誕生したヒト、ホモ・サピエンスは
強烈な紫外線から身を守るために褐色の肌を獲得しました。
しかし、およそ6万年前、アフリカを出て生息域を世界へと広げる過程では
今度は褐色の肌がビタミンDを作るのに必要な紫外線をも遮断してしまうという問題が生じました。
この事態に、ヒトは北へ向かうにつれ肌の色を薄くし、紫外線とのバランスを取ったのです。
肌の色をコントロールしているのはメラニン。
大きく分けて私たちの肌は、黒人、アジア人、白人の3つに分類されます。
それを分けるのは、メラニン色素の比率です。
メラニンには、ユーメラニンとフェオメラニンの2種類があり、ユーメラニンは、褐色~黒色のメラニン
フェオメラニンは、黄色~赤色のメラニンで、肌の色も髪の色も、このユーメラニンとフェオメラニンの多い・少ないで決まります。
髪の場合は、金髪は黄色のフェオメラニン、赤毛は赤色のフェオメラニンにユーメラニンが混ざったものです。
黒髪は、ほとんどがユーメラニンです。
褐色~黒色のメラニンは、紫外線により発生する活性酸素を消去します。
しかし、フェオメラニンは、紫外線を浴びると逆に活性酸素を作ってしまいます。
ユーメラニンによって思わぬ病気を引き起こしてしまった事例があります。
色の黒いインド人の夫婦がイギリスに移住して暮らしていました。
すると、夫婦の子供には、なかなか歯が生えてこなかったのです。
肌の色の黒い子供はイギリスでは日照量が少なく、ユーメラニンの働きによって
ビタミンDが不足してしまったからです。
医者からビタミンDを処方してもらうと、やがて歯が生えてきました。
もちろん、白人の子供にはそんなことは起きないのてすが。
一方、フェオメラニンは逆に紫外線にあたると活性酸素を増やすので、白人に皮膚がんが多い理由の一つだといわれています。
1世紀以上前にオーストラリアに移り住んだ白人。南半球では南極上空にオゾンホールができます。
オーストラリアでもオゾン層が薄くなり、紫外線量が増えています。
何と白人の3人中2人は皮膚がんになるそうです。
日焼けをしないように、皮膚に日焼け止めを塗り、耳が隠れる帽子を着用する。
それでも毎日皮膚のチェックは欠かせないといいます。
オーストラリアは2001年に建国100年を迎えたばかり、白人の肌はまだ新しい環境に適応できていないようです。
日本人はちょうど白人と黒人の中間にあたる肌の色をしています。
なので白人よりの人は日光に弱く、黒人よりの人は強くなります。
紫外線に対する肌の反応性の違いで6つのフォトスキンタイプに分けられるそうです。
1. 常に赤くなり、決して皮膚色が濃くならない(白人)
2. 常に赤くなり、その後少し皮膚色が濃くなる
3. 時々赤くなり、必ず皮膚色が濃くなる
4. 決して赤くならず、必ず皮膚色が濃くなる
5. 皮膚色がとても濃い
6. 黒人
私は4番。夏になるとインド人のように黒くなります。
元来汗っかきなので、日焼け止めクリームも塗らなくなりました。
しかし肌が焼けて痛くなる事もないので、強力なユーメラニンが発生していると思います。
2や3番の肌のタイプの同級生は、しっかり日焼け止めクリームを塗って肌の防御をして
色白の肌をキープしてください。
私は少しくらいシミやシワが老後に増えようとも、炎天下で好きなことをやって老いたいと思っています。