同級生のみなさん、夏野菜の定番のトマトをちゃんと食べていますか?
日本人が1年に食べる量は、実は、世界平均の半分ほどしかないんですって。
1日あたりの消費量に換算すると、ミニトマト2個程度しか、日本人はトマトを食べていないそうです。
ちなみに夏場だけですが、私は毎日庭で採れるミニトマトを10個以上食べています。
世界で一番トマトを食べている国民と言えば、イタリアと思うかもしれませんがダントツ1位で消費している国はトルコです。
1年で食べる量は、なんと日本のおよそ10倍。99kgになります。
実は、トマトをただそのまま食べているだけではないんです。
そのヒミツが、トマトペーストの「サルチャ」という調味料。
大量のトマトを刻んで塩をまぶし、天日に干しておくと、半日ほどで発酵し始めます。
撹拌してさらに干すことでコクがでてきます。
その後、水分がほぼなくなるまで煮詰めたら、種も皮も濾さずに、そのままビンなどに詰めて保存します。
日本の味噌や醤油のように、いろんな料理に使っているんです。
しかも発酵食品というのが似てますね。
トマトには、病気や老化の原因となる活性酸素を消し去るリコピンのほか、肥満防止や血管を若々しく保つ成分など、様々な成分がたくさん含まれています。
その効能や効果的な食べ方を確認していきましょう。
トマトに含まれるリコピンはカロテンの1種で、植物の光合成で作られる、鮮やかな赤色の色素です。
夏野菜の中でもきわめて抗酸化力が高く、カボチャなどに含まれるビタミンEの100倍以上。活性酸素を除去し、万病の元なる細胞の酸化を抑えてくれるため、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化の予防や、美肌効果が期待できます。
この美肌効果の働きですが
前回のトピックで太陽光の紫外線から身体を守るメラニンの働きを紹介しました。
トマトに含まれるリコピンはとても高い抗酸化作用を持っています。
紫外線を浴びると、肌に老化の原因となる活性酸素が発生しますが、その紫外線の侵入を抑えようと出てくるのがメラニンです。
それが、日焼けになります。
ところが、あらかじめリコピンがあると、紫外線からできる活性酸素をすぐに消去してくれます。
メラニンを大量に作る必要がなく、日焼けを抑えられるわけです。
日焼け止めクリームと併用すると効果大ですね。
リコピンは大玉のトマトに多く含まれています。
しかし食べ方に注意が必要です。
同級生の皆さんは生でサラダに入れたり、そのまま冷やしトマトとして食べる事が多いと思います。
しかしこの食べ方は、とてももったいないんです。
リコピンの吸収率を高めるには、「加熱調理」がおすすめです。
リコピンは、細胞の中に存在しますから、とりたかったら細胞を壊さないといけないということなんです。
生で食べるよりも、熱を加えて、砕いて、食べたほうがいいそうです。
2006年に行われたある実験では、加熱したトマトの加工品は、生に比べ、リコピンの吸収が16倍にも上ることがわかりました。
オイルを加えると、さらに4倍も吸収率を高めてくれます。
他にも、タマネギやニンニクと一緒に摂取する事でリコピンの吸収率がよりUPするそうです。
これってオリーブオイルを使ったトマトとベーコンのパスタの料理がベストじゃないのって思ってしまいました。
摂取するタイミングは、朝食がベストのようです。
さらにミニトマトはまた別の大きな力を持っています。
その注目成分は、エスクレオサイドA。
抗菌作用があるサポニンという成分の一種だそうです。
血管のコレステロールの蓄積を抑制して、動脈硬化の予防で健康な血管を維持できるということです。肥満防止にも繋がります。
エスクレオサイドAが多く含まれるのは、赤いミニトマト。
同じ重さで比べると、普通のトマトの8倍も多く含まれているそうです。
これは、ぜひともたくさんとりたいですね。
ただしリコピンとは真逆で、熱に弱いので、加熱すると減ってしまうんです。
エスクレオサイドAをとるなら、ミニトマトを生で食べる。
ミニトマトを食べる1日の理想量ですが、2粒から3粒で良いそうです。
最後にお勧めの料理を紹介したいと思います。
イタリアでは取れたてのトマトをあるものに加工しています。
それはドライトマト。
リコピンを始め様々な栄養成分やグルタミン酸などの旨み成分もたっぷり凝縮されています。
ドライトマトと生のトマトを使ったつけ麺です。
(材料)2人分
ドライトマト……15g
かつお節……4g
しょうゆ……大さじ1
みりん……大さじ1
にんにく(すりおろし)……少々
熱湯……200ml
トマト……1個
オクラ……3本
オリーブオイル……少々
バジル……4枚 (お好みで)
ミニトマト……4個
そうめん……100g
(作り方)
まずは、めんつゆ作り。
ドライトマトにかつお節やしょうゆ、みりんを入れ、さらに、リコピンの吸収をアップさせる、にんにくも加えます。
そして、お湯を注ぎ、30分。
トマトのうま味成分、グルタミン酸が溶けだし、かつお節の風味とあいまって、深い味わいになります。
戻したドライトマトを取りだし、細かく刻みます。
刻んだドライトマトをめんつゆに戻して入れます。
ここで、2つ目のトマトを調理。
まず生のトマトをすりおろします。
さらに、オクラ。つゆに加えると、とろみがついて、麺が絡みやすくなります。
そして、リコピン吸収アップのオリーブオイルを注ぎ、お好みでバジルを加えます。
最後にミニトマトもスライスして麺に載せます。
ドライトマトの代わりに「サルチャ」を使っても良さそうですね。
いつもの麺つゆにネギと生姜のソーメンと違って新鮮な感じで食べれるかと思います。