同級生の過去のトピックでもホルモンに関する話題が沢山出てきました。
※ 昨年の今頃は女性ホルモンを取り上げました。
直近では「オキシトシン」の話で盛り上がりましたね。
外から取るビタミンと違って、体の中で作られる不思議なホルモンの役割とはどのようなものなのでしょうか。
私たちの体内は、いつも一定の状態に保たれるようになっています。
これをホメオスターシス(からだの恒常性)と言うそうです。口を噛みそうな言葉ですね。
たとえば、私たちの体温は、夏でも冬でも、外気温に影響されることなく、36℃内外に保たれていますが
これは、ホメオスターシスを維持するはたらきが、体に備わっているからです。
夏には汗をかいて、気化熱で体温を下げて、冬には身体の脂肪を燃やして体温を上げています。
このホメオスターシスが維持できなくなると健康が損なわれ、下手をすると、生命が危険になります。
このホメオスターシスを維持する一方の主役が神経系で、もう一方の主役がホルモンです。
人のからだを一定に保つには神経のシステムとホルモンのシステムの両方が必要なのです。
神経とホルモンの大きな違いは、情報を伝える「速さ」の違いです。
神経とホルモンを身近な情報の伝達手段にたとえると、神経は「電話」、そしてホルモンは「手紙」といえそうです。
ホルモンは、「呼び覚ます」「興奮させる」という意味をもつギリシア語で、眠っているからだを目覚めさせ
刺激して「免疫」、「代謝」、「体の調節」のために必要不可欠な物質と言われています。
ホルモンは私たちの体で作られるオリジナルな化学物質で、生体の内分泌腺で作られます。
内分泌腺とは脳下垂体や甲状腺、副腎皮質といった場所です。
内分泌腺で作るられたあと、ホルモンは血液の中入り、体中を巡り必要な器官に届けられます。
ホルモンは血管の中を行きかう興奮伝達物質とも言われます。
ところでホルモンは非常に少ない分量で、効果があるんです。
50mプールに水をいっぱいに張って、その中にスプーンで1杯分のホルモン を入れて混ぜる。
それ位、血液の中ではごく微量しかありません。
女性が一生のうちに分泌する「女性ホルモン」は小さじのスプーン1杯にも満たないのです。
しかし体の健康維持のため、これくらい少ない量でもいろいろな機能を調節する働きがあるから不思議です。
現在、体の中には100種類以上のホルモンまたはホルモン様のものがみつかっていますが、これからもまだ増えると言われています。
ちなみに第1号ホルモンである「アドレナリン」は日本人の高嶺譲吉による発見だったんです。
以下主なホルモンですが、一度は聞いたことのあるホルモンもあると思います。
◎ 性ホルモン
男性らしさを作る「テストステロン」(男性ホルモン)
女性らしさを作る「エストロゲン」(女性ホルモン)
◎ 幸せホルモン
イライラを抑えてくれる「セロトニン」(安心ホルモン)
快感を得ることができる「ドーパミン」(快楽ホルモン)
心を落ち着かせてくれる「オキシトシン」(愛のホルモン)
◎ 睡眠ホルモン
自然な眠りを誘う作用がある「メラトニン」
◎ ストレスホルモン
ストレスを受けた時に分泌が増える「コルチゾール」
興奮や緊張状態の時に増える「アドレナリン」「ノルアドレナリン」
◎ 食欲ホルモン
食欲をコントロールする作用がある「レプチン」
◎ その他
・血液中の糖分の量を減らす「インシュリン」増やす「グルカゴン」
・新陳代謝を司る「成長ホルモン」
・免疫力を高め、ストレスホルモンに対抗し細胞を守る「DHEA」(若返りホルモン)
・ 血糖値の低下、脂肪分解、認知症予防などの効果があ「マイオカイン」(アンチエイジング)
多くのホルモンが加齢やストレスによって分泌量が減って、ホルモンバランスが乱れてきます。
またホルモンを全身に運ぶ毛細血管の老化による運搬力の低下も老化を早めます。
前期高齢者の同級生はまさにこの状態になりつつあるんです。
しかし少しでも貴重なホルモンをこれからも分泌させていく方法があります。
1つは質の高い睡眠をとること。
朝起きて直ぐに日光を浴びることや寝る前の入浴がお勧め。
日光を浴びると睡眠を誘発するメラトニンが夜になると出やすくなります。
入浴後は体温が急激に下がって深い睡眠をとることが出来ます。
すると成長ホルモンが出てきます。
朝、昼、夜と毎日同じ時間帯に食事をとると消化のリズムと体内時計が合って
メラトニンが出やすくなります。
最初の睡眠の3時間で成長ホルモンの70%が分泌されるそうです。熟睡する事が大事です。
2つは運動や筋トレをすること。
特に下半身の太ももの強化が効果的です。
大きな筋肉の修復のために成長ホルモンが沢山出ます。
筋肉は場所によって回復するのに24~48時間必要です。
毎日同じ場所の筋肉を鍛えても効率的とは言えません。
今日は下半身、明日は上半身と分けてトレーニングするのが良いと思います。
認知症予防にも効果がありますよ。
3つはタンパク質や乳製品を含むバランスの良い食事をとること。
老人はタンパク質不足になりがちです。野菜も良いですが、肉ともパーティで牛肉をしっかり補充しましょう。
細胞を作るタンパク質が少ないと体が枯れてきますよ。
若返りホルモンのDHEAの材料はコレステロールです。卵もしっかり取りましょう。
女性ホルモンと似た働きをするのが大豆のイソフラボンです。しっかり納豆などの大豆食品をとって女性らしさをキープしましょう。
4つは人と人の交流を深めていくこと。
お喋りは前回のトピックでも紹介した前頭葉の働きを高めます。ひろちゃんの好きなオキシトシンも分泌されます。
特に新しい経験、新しい人との出会いは脳を活性化させます。
家に閉じこもって読書も良いですが、たまには外に出て沢山刺激を受けましょう。
読書をするなら前頭葉を活性化してくれる音読が良いですよ。