筋肉の役割
筋肉の役割1
一つ目の役割が、筋肉のメインとなる働きで、力を出し運動の源となることです。
この働きを維持することが、健康的に過ごすためにも、後に寝たきりにならないためにも重要です。
自分でスポーツをするのも良いですし、ジムやスポーツクラブでトレーニングをするのでも良いですし
とにかく継続的に筋肉を使い筋萎縮させないことが大切です。
体を支えるということは「筋肉が縮こまって関節を固定しているからできること」なのです。
体を動かすことと、体を支えること一見すると違うことに思われますが
どちらも関節の周りについている筋肉の収縮によってはじめて可能なことで、筋肉にとっては一緒のことなのです。
筋肉の役割 2
二つ目は熱源の作用です。
筋肉は使っていないあいだもエネルギーを消費しています。
それは、筋肉はエネルギーを使って熱を発生しているからです。
筋力トレーニングによって筋肉が増えると、この熱の発生量(いわゆる基礎代謝)も増えるため
ダイエットや痩身にはかかせない機能になります。
ただし、何も使われない筋肉でエネルギーだけを消費しているとカラダは燃費が悪いと判断して筋肉を落としていきます。
これを廃用性筋萎縮といいます。
その為、きちんとトレーニングをして筋肉を使いカラダに「ここの筋肉は必要だよ」
という合図を継続的に出して上げなければなりません。
筋肉の役割 3
三つ目は循環機能の補助をするポンプの役割です。
「足は第二の心臓」とも言われるように
筋肉が強い力を発生するとき筋肉内部の圧力が高まり血液が絞り出されます。
逆に、力をゆるめると筋肉のなかに一気に血流が流れ込みます。
このように、収縮と弛緩を繰り返すことでポンプのような働きをし、血液の循環を助けています。
脚の血液は重力にさからって下から上がってこなければならないため、脚の筋肉は特にこのポンプ作用が大切になります。
筋肉の役割 4
四つ目は外部の衝撃からカラダを守るという役割です。
筋肉は骨や内蔵などを衝撃から守るという役割を担っています。
転倒した際にも筋肉があるのとないのとでは骨折の頻度が違うのは一目瞭然です。
特に高齢者の方の転倒による大腿骨骨折は骨粗鬆症も原因の一つですが
筋肉があることによって骨折のリスクが少なくなります。
またこの筋肉も常にトレーニングや運動によって動かしておくことで柔軟性が保たれ更に保護する機能が高まります。
隠された筋肉の役割
熱中症予防
筋肉には水分を80%蓄える事が出来ます。
筋肉が無い人は、いくら水分をこまめに補給しても身体に蓄えられないので熱中症になりやすいそうです。
筋肉の無い老人が熱中症になりやすい理由はこんな事も要因になっているようです。
若返りの活性ホルモンの放出
最近の研究で筋肉の中から放出されるホルモンが話題になっています。
筋肉を使うとマイオカインという若返りの活性ホルモンが生成される事を
東大身体運動科学研究室の石井直方教授が発見されたそうです。
マイオカインは、今までのところ100種くらい見つかっており、その効果は以下のようなものがあるとの事です。
・ダイエット効果:脂肪組織に働いて脂肪を分解 する
・糖尿病効果:肝臓に作用して糖代謝を改善 する
・動脈硬化防止:血管壁に働いて動脈硬化を防止する
・認知症防止:脳機能に作用してボケを防止する
・成長促進効果:筋肉や骨の成長を促す成長ホルモンを分泌する
このホルモンは下半身の筋肉をゆっくり鍛える事によって沢山出る事がわかっています。
筋トレは記憶力を向上させる
米国のジョージア工科大学の研究によると、筋トレを20分間行なうと、記憶力が10%ほど向上することがわかっています。
同大学の実験では、46人の被験者を対象にして、まずはパソコンの画面上に表示される90枚の写真を見てもらいました。
その後、被験者を2つのグループに分け、片方には脚の筋肉に負荷をかけながら曲げたり伸ばしたりする筋トレに50回取り組んでもらい、もう片方には同じ時間を椅子に座ったまま過ごしてもらったのです。
そして2日後、前回見せた90枚に加えて、新しい写真90枚を混ぜた合計180枚の写真を全被験者に見てもらい、どの写真を覚えているかを答えてもらいました。
その結果、筋トレを行なわなかったグループが平均して50%の写真を覚えていたのに対し、筋トレを行なったグループは、10%増の60%もの写真を覚えていたのです。
いったいなぜなのでしょうか。それは、筋トレを行なうと、記憶の定着を促す「ノルエピネフリン」という神経伝達物質が分泌されるからなのです。
勉強など何かを鮮明に記憶・暗記したいのであれば、その直後に筋トレを行なうのが効率的だそうです。
筋トレには抗うつ効果も
実は、筋トレにはうつ症状を軽減する効果があるという研究も発表されています。
スイスのベルン大学の研究によれば、筋トレなどの運動を伴う身体活動は抑うつ症状の軽減に有効で、抗うつ剤を投与するのと似た作用があるとのこと。
筋トレをすることによって、脳内伝達物質である「セロトニン」の分泌量が増えるのですが、このセロトニンが、落ち込んでいる気分を盛り上げて幸せを感じさせてくれます。
それにより、減退していた食欲や睡眠欲が回復されるのです。
ちなみに先ほど紹介した「ノルエピネフリン」にも、記憶の定着を助けるだけでなく、思考の柔軟化や意欲増大といった働きがあるのだそうです。