見沼で農業人を目指す

会社を2月に早期定年退職して2014年の5月から6ヶ月間
浦和の東京クリエイターでWEBマスター養成科の職業訓練を受けていました。
11月18日に卒業してから、本格的な求職活動を行いました。
当初から半年で仕事に就ける程甘いものでは無いと覚悟していました。
自分なりにかなり頑張って勉強したつもりでした。
しかし現実は相当厳しいものだと実感しました。

正社員は年齢の壁が、パートやアルバイト応募では女性の壁が塞がり四面楚歌。
最初は埼玉近郊で働ける所を探していましたが、東京迄範囲を広げてみましたが全く無駄でしたね。
30~40社くらいWEBで応募しましたが、面接までたどり着けたのが3社。
毎日のように、今回は採用出来ませんとのメールが帰って来ました。
かなり落ち込みましたが、デザイン事務所で実務を経験したくて頑張ってみましたが、徒労に終わりました。
未経験のままでは、次のステップに進めません。
一からフリーランスでやっていくには年齢的に難しいし、還暦を過ぎた老人に仕事を依頼するクライアントもよく考えたら無いと思います。
そんな時に家庭菜園をしている経験から近郊で農業の求人が無いか調べてみました。
最初は深谷とか遠方の働き先しか有りませんでしたが、先日見沼でオーガニック農業の募集が出ていました。
調べたら、我が家から8キロ先と自転車でも通勤出来る場所でした。
恐る恐る電話をしてみたら、明るい女性の声が帰ってきて少し安心しました。
色々聞かれましたが、先ずは面接という事になり2日後の月曜日にアポが取れることになったのです。
面接の日程と時間が決まったので、会社の内容をネットで詳しく調べてみました。
「オーガニック・ハーベスト丸山」
丸山夫妻が見沼地区の22個所の農地で野菜やお米を作って、学校やスーパー、百貨店に納めている事がわかりました。
アルバイトを含めても5~6人程度の人数で経営されているようです。
丸山夫妻は共に農業大学を卒業されています。
旦那さんは企業勤めからさいたまの市役所を経て、農家を継がれて10年になるようです。
奥さんは海外の農業支援をしたくて、スイスに留学しておられてドイツ語も堪能だとの事です。
低農薬で安心、安全な野菜を地産地消で提供するという理念を持って農業をしておられる夫婦だという事がわかりました。
夫婦の考えに共鳴する部分が多くて、凄く働いてみたいという気持ちが強くなりました。
面接の前日に散歩も兼ねて8キロ先の農園に歩いて行ってみました。
1時間20分くらいで到着。
流石に疲れましたが面接の前に場所を確かめておきたかったのです。
大きな農家が有るだけで、会社が有るような雰囲気が有りません。
場所を確かめてみましたが、間違っている様子も有りません。
大きな車が門の前に止まっていました。

写真1

明日はこの門から連絡すれば良いかと思って帰路に着きました。

いよいよ面接の当日がやって来ました。

昨日下見で来た場所なので、スムーズに到着しました。
門から入ろうかと思いましたが、あまりにも人気が無くで不安になりました。
場所が間違っているのかと思い、時間が有るので裏に回ってみました。
何と裏に丸山と表札があり、農機具やらトラックが止めてありました。
私の自転車に奥さんが気がついて、直ぐに応接間に通されました。

ネットで調べた情報や写真の通りの素敵な夫妻でした。
農業大学を卒業されて、農業に熱意を持って取り組んでおられる様子を伺い知る事が出来ました。
履歴書の応募欄を見られて、第一声がマラソンをされているのですかと言われました。
奥さんは電話の話で私がアパレルメーカーを退職しているので、ひ弱なイメージを持っていらっしゃったのです。
家庭菜園をしていて、フルマラソンも5回も走って運動大好きな事をアピールしたら大変興味を持って頂きました。
色々話をしてみて、好印象を持ちました。先方も私に対して好印象を持って頂き、直ぐにでも働いて欲しいとの依頼があったのです。

12月10日から働き始めました。
健康的な生活を送りたいので、ジムに行くような気分で片道8キロを自転車で通うことにしました。
8時仕事開始なので、7時20分くらいに自宅を出発します。
30~35分で仕事場に到着。
以前は都内の会社迄2時間弱かかっていたのが嘘のようです。
8時からは前日出荷の為に準備してあった野菜を軽トラック2台に積み込む作業からスタートです。
20代の若い社員が6箇所の販売先に届けに出かけます。
販売先は近所のスーパーや農協が運営している直売所が主です。
あとは週末に収める大宮の高島屋や給食用に近くの学校に配達しているようです。
初日は若い2人が配達に出かけた後に、社長夫妻と里芋掘りに出かけました。
車で10分位の所に里芋と白菜の畑があります。
里芋掘り楽しそうと思ったら大間違い、大変な作業でした。
先づ社長が機械で里芋を掘り起こします。機械が無い農家ではシャベルで掘り起こすそうです。
奥さんが掘り起こされた長く伸びた茎を包丁で切り落としていきます。

写真1

茎の下には地中で育っていた里芋が5~6個房になっています。
土が付いたまま軽トラックに積み込んでいきます。
その重さ10キロは有ると思います。ひたすら30メートルくらいに先の折り返し地点まで腰を曲げては伸ばす作業の繰り返し。
20分で寒風の中汗が吹き出してきます。
30分もすると背中と腰がジワーと痛くなってきました。だんだん背中を曲げるのが痛くてたまりません。
もう限界だと思った時に休憩が入りました。
想像以上の辛さに、農業舐めたらいけないのと痛感しました。
後で若い2人に聞いたら里芋掘りが一番辛いとの事でした。