乳酸菌の力




ヨーグルトは牛乳に乳酸菌を加えて発酵させて作られています。
この乳酸菌の働きによって、腸の働きが活発になり、便秘の改善などの効果があります。
では、このヨーグルト1日のうちでいつ食べるとより効果的なのでしょうか?

まず、食事との関係ですが、乳酸菌は胃酸に弱いので、空腹時や食前に食べると死滅してしまいます。
生きて腸に届くためには、食後に食べることをオススメします。
ただし、R-1ヨーグルトのように胃酸に強いヨーグルトもあって、これなら食前や食間に食べてもよさそうですね。

便秘の場合は、なかなか排便時間が不規則なのが現実かもしれませんが、なんとなく一番機会の多かった時間帯はあると思います。
ある研究では、朝食後、昼食後、夕食後にそれぞれヨーグルトを食べたグループを比較しました。
結果、最も排便回数が増えたのは朝食後のグループでした。
次いで、夕食後、昼食後の順に排便回数が増加していました。
数に差はあるものの全グループ増加しており、ヨーグルトを食べたことで腸の働きが活発になったともいえます。
この研究では、ヨーグルトを食べ始める前の排便習慣についても調べています。
それによると、もともと朝に排便習慣のある方が最も多かったようです。
日中は学校や職場で昼食をとる方が多いので、なかなか排便する機会も得にくいかもしれません。
とすると、朝排便しなければあとは帰宅してから、夕食後、になるでしょう。
もし、残業や飲み会などで帰宅が遅くなれば難しくなるでしょうね。
以上のことから、排便回数は最も朝食後が増えたと思われます。
 ヨーグルトは、どの時間帯で食べても便秘の改善には効果があるようです。そして、もともとの習慣に合わせて食べると更に効果的です。
例えばもともと朝食後に排便習慣がある方は、ヨーグルトも朝食後に食べると良いでしょう。

ヨーグルトは胃までだいたい3時間くらいかかって到達し、その後ゆっくり10時間以上かけて腸を移動していきます。
その間に、消化吸収されていくわけですね。
また、乳酸菌の寿命はだいたい3日~1週間といわれています。
ストレスなどで寿命が縮まることもあるので、ヨーグルトを食べて効果を期待できるのは3日以内かと思われます。
便秘解消の効果を長続きさせるには、一時的に食べるのではなく長くコツコツ食べ続けることが大切です。 
もし、乳酸菌が腸まで生きて届かなかったら効果ナシでしょうか?大丈夫です。
死んだ乳酸菌は他の善玉菌のエサになったり、悪玉菌を減らしたり、腸内環境を整えてくれますよ。
どうしても決めた時間に食べられなくても気にせず毎日コツコツ食べて下さいね。

乳酸菌の働きを活発にするためには、そのエサとなるオリゴ糖や食物繊維が必要です。
オリゴ糖を多く含む食品は、りんご、バナナ、玉ねぎ、キャベツ、はちみつなどです。
乳酸菌のエサになる水溶性食物繊維を多く含む食品は、サツマイモなどのいも類、プルーン、いちじく、レーズンなどの果物があります。
その他に、ごぼう、オクラなどの野菜類、大豆、海藻類、こんにゃく、キノコ類などがあります。

朝食でフルーツヨーグルトにしたり、ヨーグルトにはちみつやジャムを加えてバリエーションを楽しめます。
サラダなどのドレッシングにヨーグルトを利用してみたり、料理に取り入れるのもいいですね。
もちろん、水に溶けない不溶性食物繊維自体も便秘解消に効果があります。
食物繊維をとるとお腹の中で水分を含んで膨らみ、腸を刺激してくれるからです。
朝食に取り入れるなら、食物繊維を強化したシリアルなどをヨーグルトに入れて食べるといいですね。
いかかでしたか?ヨーグルトの効果は食べる時間で、さらにアップしそうですね!上手に取り入れて便秘を解消していきましょう。
また、晩秋から冬にかけてはインフルエンザなどの感染症も心配です。
ヨーグルトには病気と闘うナチュラルキラー細胞を活性化して免疫力を高める作用もあります。
実際に毎日食べ続けた人の方が、インフルエンザにかかりにくかったという調査結果もあります。
病気に負けない強い体になれるともっとうれしいですね。